界面活性剤が構築する擬似高分子「紐状ミセル」の

構造と物性

紐状ミセルは界面活性剤分子の自己組織体です。界面活性剤、臭化セチルトリメチルアンオニウム(CTAB)の水溶液にサリチル酸ナトリウム(NaSal)などの添加物を加えると紐状ミセルが形成さます。このミセルを遠くから眺めると非常に長い屈曲性に富んだ組織体で、高分子科学者には直鎖状高分子の溶液中での形態と運動を想像させます。しかし、紐状ミセルは鎖状高分子と違った性質を持っています。それは絡み合いの解消機構です。紐状ミセルは分子間力で造られた柔らかな組織体で、紐状ミセルの絡み合い点では二本のミセルが融合し、幽霊のように通り抜けるとしか考えられない多く実験事実が見つかっています。分子間力でできた紐状ミセルの中では構成分子はかなり速い運動をしているはずです。この図は紐状ミセル系の中で起こる運動モードを三つの階層に分けて模式的に描いたものです。

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