大阪大学大学院理学研究科 附属基礎理学プロジェクト研究センター 原田グループ ロゴ
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シクロデキストリンを用いた自己修復材料

シクロデキストリンを用いた自己修復性コーティング材料

 

酸化還元で自己修復をコントロール

 酸化・還元刺激応答性の自己修復性超分子ヒドロゲルを作製するにあたり、ホスト分子として β-CD、ゲスト分子としてフェロセン (Fc) を選択した。β-CD はその空洞に Fc のサイズがフィットするために安定な錯体を形成する。 Fc は還元状態では CD と包接錯体を形成するが、酸化状態の Fc+ では CD と包接錯体を形成しないことが明らかとなっている。今回の実験では β-CD を側鎖に修飾したホストポリマーと Fc を側鎖に修飾したゲストポリマーを用いて、刺激応答性自己修復材料を作製した。合成したそれぞれのポリマーを水に溶かし、それらの溶液を均一に混ぜ合わせると、混合溶液は固まり、流動性のない安定なゲルが形成された。

図1. シクロデキストリンを高分子側鎖に結合させたホストポリマーとフェロセンを結合させたゲストポリマーの構造、それらの水溶液の混合によるゲル形成


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水溶液混合による素早いゲルの形成

 ゲルを切断し、切断面同士にて再び接合したところ、切断した際の傷が消失し、再接着が確認された(図2a)。
 更に、ゲルの切断面に酸化剤を塗布し、表面のフェロセンをプラスイオン状態としたところ自己修復能の低下が確認された。続いて還元剤を塗布してフェロセン部位を中性状態に戻したところ元のように自己修復能の回復が認められた(図2b)。

図2. ゲルの自己修復性と酸化還元応答性
(a) 形成したゲルの再接着試験、(b) 酸化還元の刺激を用いた自己修復性の制御実験

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自己修復の機構
酸化還元による自己修復の制御

シクロデキストリンと酸化還元刺激に応答するフェロセンを導入した水溶性ポリマーを用いて、生体系に見られるような刺激に対する応答性、自己修復性を兼ね備えた材料を人工系で実現した。
(Nakahata, M.; Takashima, Y.; Yamaguchi H.; Harada, A., Nat. Commun. 2011, 2, 511.)

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