大阪大学大学院理学研究科 附属基礎理学プロジェクト研究センター 原田グループ ロゴ
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シクロデキストリンを用いた超分子アクチュエータ



筋肉のサルコメア構造に見られるように、生体系ではミクロスケールでの分子認識が集積化されることでマクロスケールでの動きへとつながっている。
我々は超分子を用いた刺激応答性超分子材料を作製するに当たり、二つのアプローチを試みた。一つは架橋密度を変化させる方法と架橋点間距離を変化させる方法である。一方は可逆的な結合の形成と解離を利用した超分子ゲルで有るのに対し、もう一方は高分子鎖間が機械的に連結された構造であるため、トポロジカルゲルに分類される。


酸化還元応答性超分子ゲル

 本研究では、β-シクロデキストリン (βCD) とフェロセン (Fc) との包接錯体による超分子的な架橋を導入した高分子ヒドロゲルを作製し、Fc 部位の酸化還元に応答した包接錯体の会合-解離を制御することで筋肉のように可逆的に伸縮するヒドロゲルの開発を試みた。さらに、酸化還元のエネルギーを外部に対する力学的仕事に変換する駆動素子(アクチュエータ)を作製した。
 Fc 部位の酸化状態を変化させることでゲルの膨潤-収縮を制御した。還元状態の Fc はβCD と包接錯体を形成するが、Fc を酸化してフェロセニウムカチオン (Fc+) とすると βCD に包接されなくなることが知られている。βCD-Fc gel を、酸化剤(硝酸セリウム(IV)アンモニウム)の水溶液へ浸漬させたところ、ゲルは Fc に由来する橙色から Fc+ に由来する緑色へと変化し、膨潤した。ゲル内部の酸化剤を取り除いたところ、ゲルは元の橙色へと戻りサイズも元へと戻った。このような傾向は少なくとも3サイクルに渡る酸化-還元に応じて観察され、ほぼ可逆的であった。
 板状に加工した βCD-Fc gel におもりを取り付けたところ、酸化-還元サイクルに応じておもりを持ち上げることができた。すなわち、ゲルは酸化還元のエネルギーを力学的エネルギーに変換し、おもりに対して力学的仕事を行えるアクチュエータとして機能していることが明らかとなった。
(Nakahata, M; Takashima, Y; Hashidzume, A.; Harada, A. Angew. Chem. Int. Ed., 2013, 52(22), 5731-5735.)

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