大阪大学大学院理学研究科 附属基礎理学プロジェクト研究センター 原田グループ ロゴ
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シクロデキストリンを用いた超分子アクチュエータ



筋肉のサルコメア構造に見られるように、生体系ではミクロスケールでの分子認識が集積化されることでマクロスケールでの動きへとつながっている。
我々は超分子を用いた刺激応答性超分子材料を作製するに当たり、二つのアプローチを試みた。一つは架橋密度を変化させる方法と架橋点間距離を変化させる方法である。一方は可逆的な結合の形成と解離を利用した超分子ゲルで有るのに対し、もう一方は高分子鎖間が機械的に連結された構造であるため、トポロジカルゲルに分類される。


光刺激応答性トポロジカルゲル

 本研究では、挿し違い構造である[c2]Daisy chainを架橋分子として、トポロジカルゲルを作製し、その光刺激応答性を調べた。高分子には四分岐ポリエチレングリコール(tetraPEG)を用い、αシクロデキストリン(αCD)とアゾベンゼン(Azo)からなる[c2]Daisy chainで機械的に架橋することで、ヒドロゲル([c2]AzoCD2 hydrogel)を得た。水中にて薄い平板上の[c2]AzoCD2 hydrogelに紫外光を照射すると光源方向へと屈曲した。屈曲した[c2]AzoCD2 hydrogelに可視光を照射すると元の形体へと復元した。
[c2]AzoCD2 hydrogelを凍結乾燥させた[c2]AzoCD2 xerogelの応答性を調べた。空気中で紫外光すると、[c2]AzoCD2 hydrogelよりも一万倍速く屈曲することが明らかとなった。
Iwaso, K.; Takashima, Y.; Harada, A. Nat. Chem. 2016, 8, 625-632.


 

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