(m;電子の質量, v:電子の速度, r:電子の軌道半径,
Z:原子番号, e:電子1つ当たりの電荷)
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研究者たちは元素の周期律発見以降、競って新元素の探索を行ってきた。
周期表はどこまで拡張されるのだろうか??新元素の化学的性質は??これらは未だ未知のままである。
これらの謎を解明するために、我々は若きチャレンジャーを待っている!!!
現在の周期表
元素の周期律発見当時の周期表
最後に
果たしてそのような現象が観測されるのか??それは相対論効果による影響なのか??近い将来答えが導かれるだろう。
もし理論的予測どおり、ラザホージウムの原子半径が大きくなっていると考えると、ラザホージウムは同族元素Zr、Hfに比べて錯体の安定性が低いはずである。
ラザホージウムのフッ化物錯体の安定性についての研究が行われた。
超重元素ラザホージウム
(Z=104)についての化学的研究
超重元素を化学する!!
外側の軌道の電子は、原子同士の接着剤のような役割をし、化学的な結合に大きくかかわってくる。
重元素・超重元素ではこの電子軌道が周期律から予想されるものより広がっている。そのため、重元素・超重元素の化学的性質は同族元素のそれと異なる可能性がある、つまり
化学の常識と一致しない性質をもつ可能性があるのである。
これが相対論効果である!!
原子の内側の電子軌道が小さくなると、電子による原子核の陽子の電荷遮蔽効果が高まり、外側の電子軌道半径は逆に広がる。
重元素・超重元素のように原子番号が大きくなると、原子核近傍の電子が光速に近づき、電子の重さが無限に近づくことにより、軌道が収縮する。
電子の速度vが光速cに近づくと、分母の値がゼロに近づくため電子の見かけの重さmは、無限に近づく。
そのことにより、1s軌道半径が小さくなる。
(特殊)相対性理論の式より
この式は原子番号Zが大きくなるほど、1s電子の速度が光速に近づくということを意味する。
ここで1s電子の速度vを光速cで割ると、上のように式が変形される。
上式を下式より変形し
ボーアの量子化条件
(1s軌道;原子の内側の軌道)
電子の遠心力と、原子核の静電的引力のつりあい
相対論効果とは??(理論的予測)
相対論効果によって、周期律から予想される電子配置が異なる可能性がある。
重元素・超重元素では・・・
周期表の縦の列の元素(同族元素)同士は化学的性質が似ている。これは化学の常識である。
重元素・超重元素の化学的性質??
重元素・超重元素は放射性であるという点が幸いして、たとえ1原子でも検出が可能である。そのため、それらの未知なる化学的性質の探求も可能となる。
放射壊変をとらえる(放射線測定)ことによって、たとえ
原子数が1個でも検出が可能
である!!
従来の方法(例えば質量測定や発光測定)では、原子を検出するために非常に多くの原子数が必要となる。そのため、同時に数原子しか作り出すことが出来ない重元素・超重元素を検出することは絶対に不可能である。
重元素・超重元素ではすぐに放射壊変して別の元素に変化してしまう。
そもそも、たった数原子を検出するにはどうしたら良いのだろう?
ある原子Xが壊変後、高励起状態から低エネルギー状態に遷移する際に光子(電磁波)が放出される壊変の様式をγ壊変という。この光子はγ線と呼ばれる。γ壊変自体ではXの変換は起こらない。
γ壊変
ある原子Xの原子核から電子eが飛び出す壊変の様式をβ壊変という。この電子eはβ線と呼ばれる。Xは原子番号が1個大きい原子Yへと変換する。
放射壊変とは・・・
β壊変
ある原子Xの原子核から4He原子が飛び出す壊変の様式をα壊変という。この4Heはα線と呼ばれる。Xは原子番号が2個、質量数が4個小さい原子Yへと変換する。
α壊変

原子核から
放射線が放出されて自発的に他の原子に変換する現象。原子核の性質によって様々な壊変の様式がある。代表的な例をいくつか紹介する。
話は少し飛びますが・・・ 放射壊変とはなんぞや???
わずか数原子である。
一度に合成できる量は
重い元素は左青色部分のような特徴を持つ
ビスマス(Bi)の83個の陽子と亜鉛(Zn)の30個の陽子が融合し113個の陽子を持つ新たな元素を合成
83Bi + 30Zn = 113Uut
例えば2004年、理化学研究所にて、世界で初めて113番元素が合成されましたが、このときは以下のような核融合反応が用いられました。
重い元素は、ある原子Aをある原子Bに衝突させ、両者を核融合(Nuclear Fusion)させることによって作ることが出来ます。
例えば原子番号が101番、質量数258のMd(メンデレビウム)は陽子が101個、中性子が258-101=157個の原子核です。また、電子数は101個です。
原子は陽子、中性子、電子から出来ています。
原子の重さは陽子の数(Z)と中性子の数(N)の和で決まります。この和が大きい程、重い原子と言えます
この和のことを原子の質量数(A)と呼びます。
原子番号は原子核の陽子の数(Z)で決まります。
その前に・・・
重い元素はどうやって作るの??
天然には存在していない!!
これらの元素は全て放射性であり、原子の壊変によって無くなってしまう。
原子番号が101番(Md メンデレビウム)以降の元素
 =重元素と呼ぶ

原子番号が104番(Rf ラザホージウム)以降の元素
 =超重元素と呼ぶ

重元素の基礎知識