(超)重元素の化学的・核的性質
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重アクチノイド−超アクチノイド元素
の化学を開拓する。
迅速化学分析装置と検出系の開発 と
「単一原子の化学」
の化学的基盤づくり を行い、
全国規模の共同研究による重元素合成 − 化学実験を進めている。
実際の加速器を用いた実験は、大阪大学核物理研究センター(RCNP)、
日本原子力研究開発機構(JAEA)及び理化学研究所(RIKEN)で行っている。
研究概要
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無機化学
(中でも核・放射化学)
における最も重要な開拓的研究テーマの一つは、
周期表で最下段に位置し、人類が合成に成功してから
まだ間もない新しい元素である(超)重元素の化学的性質の解明である。
本研究では、
その化学の遂行に必要な迅速化学操作の技術開発といわゆる
Atom at a time chemistry
の化学的基盤を確立すること、
及びアクチノイド後半やRf, Db, Sg , , ,
等の化学を幅広く確実に積み上げ、
さらに将来の長寿命超重元素
(SHE)
の量産時代に備えることを目的とする。
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本研究に関連するトピックとしては
(1) 相対論的効果の化学的性質への影響
(2) 5f, 6d, 7p 電子の化学
(3) 単一原子の化学挙動の特異性
(4) 核と電子系の相互作用
(5) 核的性質 (SHEの安定性、核分裂特性など )
が考えられる。
本研究室では特に、
はじめの
(1) 〜 (3)
を重視した研究を進めている。
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Atom at a time chemistry
原子数が極端に少ない状態における化学的性質の研究、その理解は、いまだに
十分であるとは言えず、単一原子状態に至るまで化学的性質の原子数依存性を
調べることは基礎研究として重要である。
このための各種迅速化学操作装置や単一原子測定法の開発、及び
化学的基盤作りを行う。
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重元素を対象とした化学反応系や化学分離系、またその条件等の決定には
基礎研究が必要であり、同族元素のキャリアフリーのRIトレーサー
が非常に有用となる。装置開発においてもその性能評価には
これらのトレーサーを利用する必要がる。重アクチノイド元素に対しては、
ランタノイド元素やAm, Cm, Cfなどのアクチノイド元素、
超アクチノイド元素(超重元素)に対しては、同族の遷移金属元素が
これらに相当し、加速器や原子炉を用いたこれらRIトレーサーの製造を行い、
様々な化学実験と装置開発を進めている。
その後、加速器と連結したオンライン化学実験を行い、実際に
重、超アクチノイド元素の実験を行うことができるかどうかをテストする。
このようなオンライン実験をRCNPやRIKENで進めている。
現在、一部の化学実験において、104番元素であるラザホージウム(Rf)
の化学実験にまで到達している。
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重元素の基礎知識
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