大阪大学 理学部
              化学・高分子コロキウム講演会 本文へジャンプ

理学部化学科では、主に3年生を対象とした「コロキウム講演会」を行っています。院生・教員など、他の方のご参加も大いに歓迎しております。 講演者の先生方には、最先端の研究などについて専門分野以外の方にも理解できるよう易しく解説していただきます。また3月には卒業記念講演会を行いますので、学部卒業/大学院修了の学生各位は是非ご参加下さい。


 
令和5年度 化学・高分子コロキウム講演会

藤本 ゆかり 先生

(慶應義塾大学理工学部化学科 生体分子化学研究室 教授)


多様な複合脂質が免疫機能を調節する:脂質合成法開発と分子認識解明


2024年3月4日(月)15時10分から, 理学研究科D501

細菌成分を認識する自然免疫受容体が初めて発見されて四半世紀が経ち、多様な自然免疫受容体や脂質抗原提示分子が存在することが見出されています。しかしながら多くの受容体タンパク質分子は、どのような化合物群を認識して免疫機能の調節を行うのか必ずしも詳細が解明されていません。我々は、微生物由来の特徴的構造をもつ複合糖質・脂質のほか、内在性の複合糖質・脂質に類似した構造あるいは内在性分子自身もこうした免疫調節性のタンパク質因子に認識され免疫調節に関わることに着目し、活性分子の有機合成法の確立および免疫調節性機能の解析を進めています。生体防御機構の複雑なネットワークを支える脂質機能の一端を、複合脂質分子と認識タンパク質因子との結合や、細胞内挙動解析などから眺めた最近の成果をご紹介します。


問い合わせ先:令和5年度化学・高分子コロキウム委員 中畑雅樹(nakahata@chem.sci.osaka-u.ac.jp)
ポスターはこちら



近年のコロキウム講演会の記録
   
実 施日 講 師 所 属 演 題
2023/10/16 寺尾 憲 大阪大学大学院理学研究科 放射光を用いた高分子溶液学の新展開
2023/2/22 内山 進 大阪大学大学院工学研究科 遺伝子治療用ウイルスベクターコアの実現に向けて
2022/10/3 赤井 恵 化学専攻 化学の力で拓く自然に倣った情報処理法
2022/3/3* 水口 賢司 大阪大学蛋白質研究所 コンピュータと創薬
2021/10/18 鈴木 孝禎 大阪大学産業科学研究所 創薬化学の今と未来
2021/3/3* 加藤 貴之 蛋白質研究所 タンパク質の構造解析手法としてのクライオ電子顕微鏡
2020/2/28* 桂木 康弘 サンスター財団 ガイドール・マトリクス・バリアー:一生自分の歯で過ごすために
2019/3/22* 清水 章弘 大阪大学大学院基礎工学研究科 電気を使う C-H 結合の官能基化
2018/12/13 髙島 義徳 大阪大学高等共創研究院 どうやって高分子材料を創る? ~超分子を用いた材料設計のアプローチ~
2018/3/12* 樋口 裕思 大阪ガス 卒業してガス会社に就職すると・・・
2017/12/4 鷹野 優 広島市立大学 コンピュータを使って金属タンパ ク質の活性サイトを観察・分類し、しくみを理解する
2017/6/26 橋爪 章仁 高分子科学専攻 精密高分子を用いて「高分子らし さ」を理解する
2017/3/1* 島本 啓子 サントリー生命科学財団 生物有機化学研究所 膜タンパク質膜挿入の鍵を握る糖 脂質
2016/10/31 中野 元裕 化学専攻 分子ひとつで永久磁石?
2016/6/27 山口 浩靖 高分子科学専攻 生体高分子を用いた機能性超分子 錯体の創製
2016/3/9* 櫻井 和朗 北九州市立大学 多糖核酸複合体の発見と核酸医薬 のDDSへの展開
2015/10/19 山田 裕介 大阪市立大学 水素発生のための集積型固体光触 媒
2015/7/6 吉村 崇 ラジオアイソトープ総合センター 放射性元素の金属錯体化学
2015/3/16* 隅田 泰生 鹿児島大学 糖鎖を用いたナノバイオテクノロ ジー:ウイルス感染症の早期診断法の開発
2014/12/15 北條 裕信 蛋白質研究所 有機合成によるタンパク質の機能 解明をめざして
2014/7/28 舩橋 靖博 化学専攻 生体金属機能を切り出す
2014/3/17 山本 喜博 三井化学株式会社 化学企業における研究開発-新製 品創出の面白さと苦しみ-
2013/12/16 谷口 正輝 産業科学研究所 1分子科学で遺伝子を探る
2013/3/19* 宮島 清一 宮島醤油株式会社 創造力を鍛えよう!-食品企業の 挑戦-
2012/12/17 上田 貴洋 総合学術博物館 NMRで見るナノ制約分子-微小 空間を舞台にした分子科学-
2012/6/11 松本 卓也 化学専攻 化学反応を見る、測る、構成す る。-単一分子~少数分子の化学反応-
2012/3/21* 太田 浩二 産総研関西センター 高感度二光子吸収材料の研究開発
2011/12/5 岡田 美智雄 科学教育機器リノベーションセン ター 固体表面の化学反応 -固体表面は悪魔の創造物か?-
2011/7/11 今田 勝巳 高分子科学専攻 生体分子モーターの作動機構を探 る
2011/6/13 塚原 聡 化学専攻 液液界面反応のリアルタイム顕微 計測
2011/3/14* 小川 禎一郎 小川弁理士事務所 積極的に生きる
2010/12/13 高尾 敏文 蛋白質研究所 タンパク質の質量分析
2010/12/6 関根 千津 住友化学 高分子有機ELの開発?大型TV を目指した発光材料研究の最前線?
2010/11/1 中村 正治 京都大学 鉄触媒でクロスカップリング
2010/7/5 栗栖 源嗣 蛋白質研究所 結晶構造で見る光合成エネルギー 変換とレドックス代謝反応
2010/3/15* 安東 敏彦 味の素 アミノグラムの再発見:アミノイ ンデックス
2009/7/6 石川 直人 化学専攻 希土類4f電子の新しい顔
2009/6/8 梶原 康宏 化学専攻 糖タンパク質を精密につくる
2009/3/19* 山本 正弘 日本原子力研究開発機構 腐食防食技術による社会への貢献 ?化学屋が手助けできたこと。ビッグプロジェクトを例として?
2009/1/26 鬼塚 清孝 高分子科学専攻 有機金属錯体触媒による精密高分 子合成と機能開発
2008/10/27 奥村 光隆 化学専攻 計算機シミュレーションによる化 学
2008/6/16 小川 琢治 化学専攻 有機合成とナノサイエンス
2008/3/19* 沼波 憲一 田辺三菱製薬 製薬業界の現状と国際展開につい て
2007/11/19 久保 孝史 化学専攻 電子の非局在性を活かしたπ共役 系有機分子の化学
2007/6/18 井上 正志 高分子科学専攻 高分子のレオロジーと流動光学
2007/3/8* 高橋 里美 カネカ 「光学活性化合物の実用的な合成 プロセス開発」ー合成とバイオのコンビネーションを中心にしてー
2006/11/20 上垣外 正己 京都大学 リビングラジカル重合の開発と精 密高分子合成
2006/11/4 浜地 格 京都大学 蛋白質の生命化学と工学
2006/10/16 原田 明 高分子科学専攻 「超分子の動的機能」?物質から 生命へ?
2006/6/26 菊地 和也 工学研究科 細胞機能を可視化する蛍光セン サー分子のデザイン・合成・応用
2006/6/5 水谷 泰久 化学専攻 タンパク質の構造変化と機能

* 卒業記念講演会

平成9年度から平成22年度までのコロキウム講演会の記録

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