第2回熱測定および化学熱力学に関する
国際シンポジウム

第2回熱測定および化学熱力学に関する国際シンポジウムが2006年4月9日から13日の日程で,南米ブラジルのサンパウロ郊外のサンペドロにあるHotel Fazenda Fonte Colina Verdeにおいて開催された. 本シンポジウムは現地組織委員長のカンピナス州立大学のClaudio Airoldi教授および事務局長のWatson Loh教授をはじめとする15名の現地組織委員の惜しみない尽力で成功裏に運営された. 本シンポジウムの参加者は19ヶ国139名で,約40%がラテンアメリカ以外からの参加者であった. 日本からは日本大学の加藤雅弘先生,近畿大学の木村隆良先生,当研究センターの宮崎裕司の合計3名が参加した.

10日の開会式は現地組織委員長Airoldi教授の司会で,組織委員長Lee D. Hansen教授(米国・ユタ大学),Margarida Bastos博士(ポルトガル・ポルト大学),Simon Gaisford博士(英国・ロンドン大学)の簡単な挨拶と事務局長Loh教授の日程説明で始まった.

プログラムは特別講演4件,招待講演9件,一般講演31件,ポスター発表80件で構成された. 宮崎は11日のポスターセッションで,“Concentration Dependence of Order-Disorder Transitions of Schizophyllan Solutions”と題するポスター発表を行った. 今回のシンポジウムの最大の特徴はブラジルの化学熱力学と熱測定の発展に尽くされたIngemar Wadso教授(スウェーデン)とAnthony Beezer教授(米国)のために特別セッションが設けられたことである. 各の教授の下で研鑽された6, 7名の研究者が各の領域での現在の活躍を披露し,教授との逸話と感謝の言葉で教授を讃えた. セッション終了時に組織委員会より記念品授与とその儀式が行われた. 12日の夜にはバンケットが行われ,バンドとダンサーによるブラジル音楽・ダンスと共に食事を楽しんだ. 食事が一段落すると,バンド演奏に合わせて多くの参加者によるダンスが始まった. バンド・ダンサーと参加者がほぼ4時間もの間休むことなく,演奏・ダンスを行ったのには大変驚かされた.

私は天体観測が趣味で,今回初めての南半球での星空観察を楽しみにしていたが,南十字星や上弦の月がひっくり返って下弦の月になっている様子,空高く昇って来るさそり座など,南半球の夜空を存分に堪能した. ただ,月明かりのせいで大小マゼラン星雲が見られなかったのが心残りである. また,朝食時に出た完熟のパパイヤが非常に美味で,何個もおかわりしてしまった. 帰国後何回かパパイヤを買って食べたが,ブラジルで食べたあのパパイヤの味には未だ出会っていない.

(宮崎裕司)

Picture of ISCCT2006

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