研究室で過ごした日々

外国人研究員としてこの年センターに滞在された方は2名で,いずれも国際交流会館に滞在していただくことができました. 分子熱力学研究センターとしては最後の受け入れとなり,その結果この10年間でのべ20名の方が滞在したことになります. 年平均2名の招聘による滞在型共同研究は,受け入れ側としても非常に感慨深いものがあります. 以下に簡単にご紹介します.

古賀精方博士

(2007年11月1日〜2008年3月3日滞在)
(2008年10月1日〜2008年11月29日滞在)

カナダ西海岸にあるブリティッシュコロンビア大学の古賀さんとは,1984年からの旧知の間柄で,カナダのマクマスター大学のモリソン教授の研究室で,短い間でしたが一緒に研究した経緯があります. 当時は微分吸着熱(ギブズエネルギーの2次微分量)の測定でしたが,その後,古賀さんは溶液化学の分野で3次微分量の測定を果たし,いまや4次微分量の測定を目指しておられます. 日本熱測定学会の2006年度学会賞の受賞者でもあります. 今回の滞在はいずれもご夫妻一緒でした. 写真は最初の滞在時の歓迎会の様子です.

Dr. Yoshikata Koga

ジーリンスキー(Piotr M. Zieliński)博士

(2008年3月3日〜2008年8月30日滞在)

単身での滞在となったピオトール・ジーリンスキーさんは,ポーランド核物理研究所に勤務する新進気鋭の研究者です. 彼は,磁性体や液晶などの熱容量測定のみならず中性子散乱を含む分光測定や誘電測定をもこなし,何といっても装置作りの経験があるだけにハードウェアにも明るいという強みをもっています. また,コンピュータを使ったデータ処理も得意としています. 趣味といえるのか “インドアの岩壁登り” には異様なほどの興味を示し,滞在中も熱心にクラブに通っていた様子です. 核物理研究所と当センターは研究上の長年の付き合いが継続していますが,次の世代へのバトンタッチが始まりつつあるという印象です. 写真は歓迎会での様子です.

Dr. Piotr M. Zieliński

帰国後,いずれも丁重な手紙をいただいたので再録させていただきます.

(稲葉 章)

『古賀精方博士からの手紙』 『ジーリンスキー博士からの手紙』

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