理学部化学科では、主に3年生を対象とした「コロキウム講演会」を行っています。院生・教員など、他の方のご参加も大いに歓迎しております。
講演者の先生方には、最先端の研究などについて専門分野以外の方にも理解できるよう易しく解説していただきます。また3月には卒業記念講演会を行いますので、学部卒業/大学院修了の学生各位は是非ご参加下さい。
内山 進 先生
(大阪大学大学院 工学研究科 生物工学専攻 高分子バイオテクノロジー領域 教授)
遺伝子治療用ウイルスベクターコアの実現に向けて
2月22日(水)15時10分から, 理学研究科講義室(D501)
現在、遺伝子治療用ウイルスベクターの開発が欧米を中心に急速に進められており、
その有効性と発展性から我が国においても研究開発がようやく加速しはじめた。
ウイルスベクター開発における課題の1つは大量製造の難しさである。
また、製造量が限られるために分析手法の開発が難しく、有効性や安全性の担保に必須の品質管理が不十分となり、
仮に有望な創薬シーズが見出されても、実用化までの道のりは困難を極めることとなる。
こうした状況を変えるべく、演者は、2018年から日本医療研究開発機構の支援のもと、
これまでに培ってきた蛋白質の溶液物性解析に関するノウハウをベースに、遺伝子治療用ウイルスベクターの分析と品質管理方法の開発に取り組んできた。
現在までに世界最高レベルの分析を実現し、海外の研究者からも演者らの研究の成果が認識されつつある。
一方で、ウイルスベクターの製造には依然として技術的課題が数多く残されている。
そこで、品質分析技術を駆使しながら高品質な遺伝子治療用ベクターの製造に向けたプロセス開発研究にも取り組んでいる。
こうした研究成果をベースにアカデミアに遺伝子治療用ウイルスベクターコアを設立予定である。
講演では、アカデミアだからこそ可能な科学をベースとした工学的アプローチによる取り組みを紹介する。
問い合わせ先:令和4年度化学・高分子コロキウム委員 真鍋良幸(manabey12@chem.sci.osaka-u.ac.jp)
ポスターはこちら
実 施日 |
講 師 |
所 属 |
演 題 |
2022/10/3 |
赤井 恵 |
化学専攻 |
化学の力で拓く自然に倣った情報処理法 |
2022/3/3* |
水口 賢司 |
大阪大学蛋白質研究所 |
コンピュータと創薬 |
2021/10/18 |
鈴木 孝禎 |
大阪大学産業科学研究所 |
創薬化学の今と未来 |
2021/3/3* |
加藤 貴之 |
蛋白質研究所 |
タンパク質の構造解析手法としてのクライオ電子顕微鏡 |
2020/2/28* |
桂木 康弘 |
サンスター財団 |
ガイドール・マトリクス・バリアー:一生自分の歯で過ごすために |
2019/3/22* |
清水 章弘 |
大阪大学大学院基礎工学研究科 |
電気を使う C-H 結合の官能基化 |
2018/12/13 |
髙島 義徳 |
大阪大学高等共創研究院 |
どうやって高分子材料を創る? ~超分子を用いた材料設計のアプローチ~ |
2018/3/12* |
樋口 裕思 |
大阪ガス |
卒業してガス会社に就職すると・・・ |
2017/12/4 |
鷹野 優 |
広島市立大学 |
コンピュータを使って金属タンパ
ク質の活性サイトを観察・分類し、しくみを理解する |
2017/6/26 |
橋爪 章仁 |
高分子科学専攻 |
精密高分子を用いて「高分子らし
さ」を理解する |
2017/3/1* |
島本 啓子 |
サントリー生命科学財団
生物有機化学研究所 |
膜タンパク質膜挿入の鍵を握る糖
脂質 |
2016/10/31 |
中野 元裕 |
化学専攻 |
分子ひとつで永久磁石? |
2016/6/27 |
山口 浩靖 |
高分子科学専攻 |
生体高分子を用いた機能性超分子
錯体の創製 |
2016/3/9* |
櫻井 和朗 |
北九州市立大学 |
多糖核酸複合体の発見と核酸医薬
のDDSへの展開 |
2015/10/19 |
山田 裕介 |
大阪市立大学 |
水素発生のための集積型固体光触
媒 |
2015/7/6 |
吉村 崇 |
ラジオアイソトープ総合センター |
放射性元素の金属錯体化学 |
2015/3/16* |
隅田 泰生 |
鹿児島大学 |
糖鎖を用いたナノバイオテクノロ
ジー:ウイルス感染症の早期診断法の開発 |
2014/12/15 |
北條 裕信 |
蛋白質研究所 |
有機合成によるタンパク質の機能
解明をめざして |
2014/7/28 |
舩橋 靖博 |
化学専攻 |
生体金属機能を切り出す |
2014/3/17 |
山本 喜博 |
三井化学株式会社 |
化学企業における研究開発-新製
品創出の面白さと苦しみ- |
2013/12/16 |
谷口 正輝 |
産業科学研究所 |
1分子科学で遺伝子を探る |
2013/3/19* |
宮島 清一 |
宮島醤油株式会社 |
創造力を鍛えよう!-食品企業の
挑戦- |
2012/12/17 |
上田 貴洋 |
総合学術博物館 |
NMRで見るナノ制約分子-微小
空間を舞台にした分子科学- |
2012/6/11 |
松本 卓也 |
化学専攻 |
化学反応を見る、測る、構成す
る。-単一分子~少数分子の化学反応- |
2012/3/21* |
太田 浩二 |
産総研関西センター |
高感度二光子吸収材料の研究開発 |
2011/12/5 |
岡田 美智雄 |
科学教育機器リノベーションセン
ター |
固体表面の化学反応
-固体表面は悪魔の創造物か?- |
2011/7/11 |
今田 勝巳 |
高分子科学専攻 |
生体分子モーターの作動機構を探
る |
2011/6/13 |
塚原 聡 |
化学専攻 |
液液界面反応のリアルタイム顕微
計測 |
2011/3/14* |
小川 禎一郎 |
小川弁理士事務所 |
積極的に生きる |
2010/12/13 |
高尾 敏文 |
蛋白質研究所 |
タンパク質の質量分析 |
2010/12/6 |
関根 千津 |
住友化学 |
高分子有機ELの開発?大型TV
を目指した発光材料研究の最前線? |
2010/11/1 |
中村 正治 |
京都大学 |
鉄触媒でクロスカップリング |
2010/7/5 |
栗栖 源嗣 |
蛋白質研究所 |
結晶構造で見る光合成エネルギー
変換とレドックス代謝反応 |
2010/3/15* |
安東 敏彦 |
味の素 |
アミノグラムの再発見:アミノイ
ンデックス |
2009/7/6 |
石川 直人 |
化学専攻 |
希土類4f電子の新しい顔 |
2009/6/8 |
梶原 康宏 |
化学専攻 |
糖タンパク質を精密につくる |
2009/3/19* |
山本 正弘 |
日本原子力研究開発機構 |
腐食防食技術による社会への貢献
?化学屋が手助けできたこと。ビッグプロジェクトを例として? |
2009/1/26 |
鬼塚 清孝 |
高分子科学専攻 |
有機金属錯体触媒による精密高分
子合成と機能開発 |
2008/10/27 |
奥村 光隆 |
化学専攻 |
計算機シミュレーションによる化
学 |
2008/6/16 |
小川 琢治 |
化学専攻 |
有機合成とナノサイエンス |
2008/3/19* |
沼波 憲一 |
田辺三菱製薬 |
製薬業界の現状と国際展開につい
て |
2007/11/19 |
久保 孝史 |
化学専攻 |
電子の非局在性を活かしたπ共役
系有機分子の化学 |
2007/6/18 |
井上 正志 |
高分子科学専攻 |
高分子のレオロジーと流動光学 |
2007/3/8* |
高橋 里美 |
カネカ |
「光学活性化合物の実用的な合成
プロセス開発」ー合成とバイオのコンビネーションを中心にしてー |
2006/11/20 |
上垣外 正己 |
京都大学 |
リビングラジカル重合の開発と精
密高分子合成 |
2006/11/4 |
浜地 格 |
京都大学 |
蛋白質の生命化学と工学 |
2006/10/16 |
原田 明 |
高分子科学専攻 |
「超分子の動的機能」?物質から
生命へ? |
2006/6/26 |
菊地 和也 |
工学研究科 |
細胞機能を可視化する蛍光セン
サー分子のデザイン・合成・応用 |
2006/6/5 |
水谷 泰久 |
化学専攻 |
タンパク質の構造変化と機能 |
* 卒業記念講演会
|