標題の国際会議が2006年7月30日から8月4日の日程で,米国コロラド州ボルダーにあるコロラド大学において開催された. ボルダーはコロラド州の州都であるデンバーから直線距離で約65 km北西にある人口約9万5千人のロッキー山脈の麓に位置する自然に囲まれた美しい街で,同州最大のコロラド大学を擁する学園都市である. 会場であるコロラド大学ボルダー校は同大学のメインキャンパスであり,広大な敷地内にロッキー山脈の赤色砂岩をブロックにして作られた石造りの校舎・宿舎が多くの樹木と広い芝生に囲まれて点在していた.
本会議は第16回熱物性シンポジウム,第19回化学熱力学国際会議(ICCT 2006),第61回熱測定会議(CalCon 2006)の3学会がジョイントする初めての会合で,参加者が600名以上,発表件数がおよそ1000件に上る国際会議となった. 全48ヶ国の登録があったが,参加者数の国別内訳ではアメリカが約4割,日本とドイツがこれに次ぐ約1割,上位3ヶ国で全体の約6割を占めた. 当研究センターからは中澤と宮崎が参加した. 組織委員長は,全体がコロラド州ボルダー・NISTのWilliam M. Haynes博士,熱物性シンポジウムがコロラド州ボルダー・NISTのDaniel G. Friend博士およびカナダ・トロント大学のAndreas Mandelis教授,ICCT 2006がコロラド州ボルダー・NISTのMichael Frenkel博士,Robert D. Chirico博士,およびJoseph W. Magee 博士,CalCon 2006がテネシー州・オークリッジ国立研究所のMiroslav Gruszkiewicz博士およびコロラド州ボルダー・NISTのMichael Frenkel博士であった.
プログラムは,3学会合同では全体講演8件,5つのジョイントセッションから成る招待講演および一般講演(口頭・ポスター発表),ソフトウェア実演,計測機器展示,ICCT・CalCon合同では全体講演5件,7つのセッションから成る招待講演および一般講演(口頭・ポスター発表),熱物性シンポジウムでは18のセッションから成る招待講演および一般講演(口頭・ポスター発表)で構成され,その中でロッシーニ講演,ハフマン賞受賞講演,トローキャン記念講演,クリステンセン賞受賞講演,スンナー賞受賞講演,IACT学位賞受賞発表,およびジオーク賞受賞発表が行われた. 今年も日本人1名がジオーク賞を受賞した. 本会議で中澤は口頭発表1件,宮崎はポスター発表2件を行った.
5日目のバンケットは,学会会場からバスで約10分程度の小高い丘の上に位置する,コロラド大学NCAR(National Center for Atmospheric Research)で催された. しだいに暮れていくボルダーの街並みを一望できる大変眺めの良いテラスで,生バンド演奏によるデキシーランド音楽を聴きながら,美味しい料理と酒を楽しんだ. CalConは来年ハワイで,日本熱測定学会との共催で行われる. また,ICCTは2年後ポーランドのワルシャワで開催の予定である.