特任研究員としてこの間センターに滞在されたのは 藍 孝征(LAN, Xiaozheng)博士と Ewa JUSZYŃSKA 博士の2名でした. 藍 博士は分子熱力学研究センターの特任研究員としては最後の2年間を,JUSZYŃSKA 博士は構造熱科学研究センターの最初の半年をそれぞれ務めました. また,古賀 精方 博士は今回3度目の滞在となり,Oscar CAMACHO 君はコロンビア共和国からの留学生として大学院博士前期課程(修士)を修了し,合計3年間の滞在を終えました. この間,センター改組や非常勤研究員の常勤化,国際交流会館の改修工事などがあり,少し落ち着かない時期であったかもしれません.
中国の山東農業大学に勤務する博士は,大連の化学物理研究所熱化学研究室の譚志誠教授の指導を受け,2004年に学位を取得し,すでに常勤講師(事実上の教授)を務めていましたが,本センターでの研究に是非とも従事したいとのことで来日されました. 滞在が間もなく1年という頃にはセンター運営委員を前に業績発表を行い,その成果が認められて合計2年間の滞在になったのでした. 写真は歓送会の様子です.
ユシンスカ博士は,ポーランドのクラクフ核物理研究所でマサルスカアロジ教授の指導を受け,学位を取得した直後にセンターに赴任しました. 種々の分子固体を対象に,中性子散乱を含む種々の分光法やカロリメトリなど様々な実験手法を尽くして研究を行ってきました. ただ,液体ヘリウムを使った実験は初めてだったようです. 帰国後マサルスカアロジ教授から,当面は2年間という期限付きながら,博士が研究所の正規メンバーとして採用されたとの吉報を受けました. 写真は,熱測定討論会(首都大学東京)でのポスター発表の様子です.
毎年秋にセンターに来訪し,何ヶ月かの滞在をされる古賀博士夫妻は今年で3年目となりました. 古賀博士(カナダのブリティッシュコロンビア大学)は,水溶液を対象としてギブズエネルギーの3次微分量の測定による構造熱科学的研究に熱中しておられ,これまで着実な成果を収めています. 独特の気風で実験を楽しんでいる姿は,学生達を魅了しているに違いありません. 写真は測定中の古賀先生です.
国立コロンビア大学を2004年に卒業し,そのまま大学院に進学していた彼は,2006年度国費外国人留学生(大使館推薦)として来日したのでした. 留学生センターによる6ヶ月に及ぶ日本語研修を受けた後,研究生として本センターに所属し,その後,化学専攻の大学院入学試験も合格した彼は2年間の博士前期課程(修士)を修了しました. 流暢な日本語を話し,日本での就職を望んでいた時期もありましたが,昨年秋以降の世界同時不況の影響もあり,本国で職を探すことになり帰国したのでした. 写真は2007年の熱測定討論会(札幌)でのものです.
帰国後にいただいた手紙を再掲します.
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