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高分子科学専攻とは?

これから大学を選ぼうとしている方たちへ

私たちの身の回りには様々な高分子材料があふれていますが、高分子科学はまだまだ若い学問体系です。思いもかけないアイデアが、従来 にはなかった優れた物性や機能をもった高性能・高機能高分子の出現をもたらす可能性が大いにあります。

このような高性能・高機能高分子を追い求め、大阪大学理学研究科高分子科学専攻では、多くの人々が研究に従事しています。そのような 夢の実現には、あなた方の若い、柔軟性に富んだ頭脳がどうしても必要です。

私たちと一緒に21世紀における高分子科学の新しい世界を切り拓いていきませんか?

高分子科学の急速な発展

人類は、太古の時代から天然に存在する高分子材料を利用してきました。しかし、そのような身近な材 料が、実は数多くの原子を化学結合で結びつけた一つの高分子量の分子であると認識されはじめたのは、90年程前のことに過ぎません。

このように、科学の長い歴史の中においては、高分子科学の萌芽および成長は、極く最近の出来事のよ うに取られがちです。

しかし高分子科学は、このわずか数十年の間に、他の科学分野が費やしてきたにちがいない時間の「数 分の1」の極めて短いタイムスケールで猛烈な発展を遂げてきました。そして、この短い期間に次々と新しい高分子材料を生み出し、20 世紀における人類の繁栄と高度な文明の原動力として重要な役割を果たしてきました。

特に、生命現象について分子レベルからの考察が強く認識されるようになりつつある昨今、高分子科学 が培ってきた様々の概念が、複雑系としての生命科学においても非常に重要な役割を果たしつつあります。かつての物理学者や生物学者が 高分子科学分野に加速度的に進出してきている現実が、この高分子科学の重要性を明瞭に物語っているように思われます。つまり、21世 紀には高分子科学は最も重要な学問体系の一つになるはずと考えられます。

高分子科学専攻の活動

私達の身の周りの高分子材料は殆どが工業の産物ではありますが、それを生み出したのは基礎としての 高分子科学体系の確立にあったことを忘れることはできません。この「基礎」としての高分子科学を進めていくためには、化学、物理、数 学など様々の分野からの貢献が総合的かつ有機的に融合されなければなりません。つまり高分子科学は学際領域としても重要な意義をもっ ています。

私達、大阪大学理学研究科の高分子科学専攻でも、今日に至るおよそ40年の間、高分子の発展、そし て究極的には人類の発展を目指し、常に世界の高分子研究の最前線を歩んできましたが、大阪大学の高分子科学専攻の特徴は「理学」とい う基礎科学の立場から高分子物質を徹底的に理解することを目指している点にあります。全国でも唯一、理学研究科に所属する高分子研究 機関でして、「基礎的研究に徹した高分子研究のメッカ」の一つとして世界にその名を馳せています。

しかも、その研究は、高分子の合成、物性、機能、構造さらには生命現象との関わりまで非常に広い領 域を深く、バランスよく網羅しており、名前だけではなく、研究内容についても、トップレベルにあることは自他共に認めるところです。

高分子科学専攻の詳細な活動内容はアニュアルレポートにて紹介されています。

高分子科学専攻における教育および就職

高分子科学専攻の大学院では、高分子の科学に関する十分な基礎知識を教授するのみならず、高分子科 学の展開に必要な高度の理論や技術を習得するための教育指導を行っています。

コース終了後は、高分子科学を基礎からマスターした必要不可欠な人材として、大学や研究所はもとよ り、企業においても大活躍をしています。企業などへの就職状況も他の専攻に比べて抜群に良いのも、このような教育方針のためです。

過去の就職状況はこちら

高分子科学専攻の重要事業

1.国際会議の開催
高分子科学における国際交流にも積極的で、隔年ごとに、最前線で活躍中の国内外の著名な高分子研究者を招待して非常にハイレベルの国 際会議を開催し、世界中の研究者から大いなる喝采を浴びています。外国人留学生の多いこともその現われで、高分子科学専攻全体が国際 色豊かな雰囲気に包まれています。

2.高分子研究所
高分子科学は産業の発展に大きな貢献を果たしてきています。その意味から言っても、産業界との間の研究協力は大事です。高分子科学専 攻は、古くから、日本の高分子産業を発展させるべく、産学との間の研究協力を推進してきました。その重要な役割を果たしているのが、 高分子研究所です。
具体的な活動としましては、年に1~2回、産学高分子研究会を開催しています。

3.国際高分子交流基金
高分子科学を通じての国際交流を活発にするために、一般の方々ならびに企業の支援を頂戴し、全国でもまれな国際高分子交流基金を設立 しました。国際会議の開催も、この交流基金が援助をしています。また、外国の研究機関とのつながりを大切にした様々の活動を繰り広げ ています。

さらに詳しい説明(平成12年)

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