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錯体配位子法とは?

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金属イオンをレゴ®ブロックのようにつなげる金属錯体の合成手法です。非共有電子対をもつ金属錯体を「錯体配位子」と呼びます。錯体配位子に第二の金属イオンと反応させることにより、2種類以上の金属イオンをもつ異種金属多核錯体が合理的に得られます。

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例えば、D-ペニシラミンをもつ平面型金属錯体、[MII(D-pen-N,S)2]2- (MII = NiII, PdII)は、2つの硫黄原子上に非共有電子対を2つずつもつ硫黄ドナー型の錯体配位子です。この錯体配位子に銅(I)イオンや銀(I)イオンを塩化物イオン存在化で反応させることにより、中心に塩化物イオンを包接したMII6CuI8およびMII6AgI8硫黄架橋14核クラスターが合成できます。両者のクラスター構造はほぼ同じでしたが、これらの錯体にランタン(III)イオンを反応させると、MII6CuI8では2次元シート状に、MII6AgI8では1次元へリックス状に14核クラスターが集積することを見出しました。