ポーランド科学アカデミー会員,クラクフ核物理研究所のJanik教授が,2012年3月20日に急逝された.享年84歳であった. 翌日,センター滞在中のWasiutyński教授から訃報を受けたが,皮肉なことに,同じ日に研究所から筆者宛に予期せぬ誕生祝いとして美しい書籍が届けられ,添えられた手紙には教授のサインも見ることができた.
Janik’s Friends Meetingについては,本レポートでも何度か報告がある(最近ではNo.32). 教授の薫陶を受けた多数の弟子とわれわれの間には,共著論文がすでに20報を超えている. それは,中性子散乱を中心としながら熱測定,誘電測定,磁気測定を加えた広い視点に立った構造・物性研究を教授が目指してこられたからで,構造熱科学研究センターと共通するところが多かったためであろう. 残念ながら来年に予定されていた第28回のFriends Meetingはなくなったが,追悼の会議が3月に予定されている.
Janik教授はドイツやノルウェー,ロシアに多くの友人と共同研究者をもつが,ドゥブナ合同原子核研究所(ロシア)には,教授の偉大な功績を記念してJanik Alley(Janikの小道)がつくられたとのことである. 謹んで哀悼の意を表し,ご冥福をお祈りします.
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