第13回熱分析熱測定国際会議
−菅 宏 名誉教授が受賞講演−

2004年9月12日から19日まで,Bruno Marongiu教授(Cittadella Universitaria di Monserrato)のお世話で, サルジニア島の南端キアラグナにおいてThe International Confederation for Thermal Analysis and Calorimetry (ICTAC)の第13回熱分析熱測定国際会議が開催されました.キ アラグナはダイビングでも有名なビーチだそうです.当研究センターからは,長野が出席しました.

今回の会議では,菅宏名誉教授がSetaram-ICTAC賞を受賞されました(別記事参照). 菅宏名誉教授は, Calorimetric Study of Transition Phenomena in Molecular Solidsという演題の受賞講演で, 様々の方法で作られた分子性ガラスの基本的性質について熱容量測定から分かることを解説されました. 同賞は,フランスの熱量計メーカーであるSetaram社をスポンサーとして, 熱測定の科学に傑出した貢献をした人物に贈られるもので, ICTACの賞委員会(Andrew R. McGhie委員長)で受賞者が選考されます.

長野は今回,最近始めた生物熱測定の結果を初めて発表することになったのですが, 我々の開発してきた測定技術が十分に高い水準であることを確認することができたのは収穫でした. また,この国際会議に合わせて開かれた化学熱力学ワーキンググループの会合にも出席し, 現在進めている芳香族炭化水素の熱力学データの評価プロジェクトの相談もしました.

以上が昼の部の報告です.しかし,国際会議に出席する最大の意義は夜の部にあります. 今回ポルトガルの友人たちに会えなかったのは残念でしたが,各国の友人たちと毎日, 日付が変わるまでサルジニアの赤ワインを飲みながら,科学から政治までおしゃべりして, とても有意義な時間を過ごすことができました.

(長野八久)

Report 2

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