阪大GCOE・ストラスブルグ大学合同シンポジウムに参加

7月1-2日に,第2回目の阪大グローバルCOE(生命環境化学グローバル研究拠点)とフランスストラスブール大学との共同開催による国際シンポジウムがありました.阪大の化学系研究者とストラスブルグ大学の交流は,2007年に現在のGCOE(生命環境化学グローバル研究拠点)の活動がスタートしたときに,当時のルイスパスツール大学との交流からスタートしているそうです.その後,ルイスパスツール大学と他の2つの大学が合併し,フランス最大規模のストラスブール大学となり,2009年6月には阪大で第1回の合同シンポジウムが開かれました.今回,第2回目のシンポジウムがストラスブルグで開催されることになり,阪大からGCOE代表の福住先生,神戸先生,茶谷先生,林先生,菊地先生(以上工学系研究科), 真島先生(基礎工学研究科)とともに理学研究科から中澤が参加してきました.化学専攻の村田研,梅川助教を含む公募で選ばれた6名の若手の方も参加され,全員口頭発表を行いました.ストラスブルグ大学は非常に大きな大学であり,化学はもちろん,生物,物理と多くの著名な研究者がおられます.会議のテーマは「Chemistry at the Frontiers of Biology and Physics」という様々な分野への広がりを意識し,学際融合のための会議となり,のべ100名以上の参加者がありました.会場は超分子化学の分野でノーベル賞をとったレーン教授のノーベル賞受賞記念棟であり,非常にモダンなデザインの明るい雰囲気の建物でした.中澤は「Thermodynamics of Molecular Assembled Systems -Superconductivity, Magnetism and a Spin Liquid-」という内容で講演しました.先方の分子磁性の分野で活躍している研究者に,我々の行っている単分子磁石の高圧下での実験に興味を持って頂きました.彼らの研究しているCuを含む金属錯体の磁気的な性質を高圧熱測定で解明するために,共同研究に発展しそうです.

ストラスブール大学側のホストは,錯体化学の分野の第一人者であるBraunstein教授でした.Braunstein先生をはじめとする研究室の方たちの歓待を受け,非常に充実した滞在時間を過ごすことができました.ストラスブルグはアルザス地方の中心的な街であり,市電で移動してもフランス文化とドイツ文化が混ざりあった非常に楽しいところです.食事も毎回異なったレストランに連れていって頂き,地元のワインやピザも楽しむことが出来ました.懇親会は,ストラスブルグ大学の学長や学振のストラスブルグ事務所の中谷所長なども参加され,翌日はストラスブルグ市主催の交流会を行ってくれました.

今回のGCOEでの活動でできた共同研究等の機会を生かし,様々な面で交流を続けていければと思います.次回は再び阪大での開催になります.

(中澤康浩)

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