当研究室では、金属酵素の活性中心の構造・
性質を理解し、生体内化学反応を化学的に解明すること、また金属酵素の構造やそれらが行っている反応に着想を得て、新しい錯体分子や反応系を構築することを目標としています。
アルカリ金属やアルカリ土類金属元素だけでなく、微量必須元素と呼ばれる生命維持に必要な金属の中には、遷移金属元素も含まれています。これらの金属蛋白質には、呼吸や光合成ならびにそれに伴う電子移動に関与するものや、生体内の化合物の代謝を行う触媒機能を持つものなど重要な機能を担っているものがあります。我々はその遷移金属を内包する蛋白質の金属活性部位について2つのアプローチで研究を行っています。1つは錯体化学を駆使したモデル合成研究であり、もう1つは蛋白質のX線構造解析や種々の分光学測定を行う研究です。2つのアプローチで迫り、得られた知見を相互にやりとりすることで、これまでそれぞれ単独では到達し得なかった次元での生体内化学反応の理解にたどり着ければと考えています。
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