無機化学講座
錯体化学研究室
研究概要
- 錯体配位子をベースとする異種金属多核構造の構築
- 金属錯体の集積化による間隙空間の構築と機能開拓
- 多核錯体集積体の内部空間を用いた化学反応の探索
- 金属錯体の立体異性制御とキラル認識に関する研究
原子やイオン等の球状の剛体粒子や楕円体粒子が固体として集合する場合、空間は完全には充填されず、粒子配列に応じて隙間(間隙空間)が残ります。我々のグループでは、金属イオンを段階的に集合させる手法(錯体配位子法)を用いてナノサイズの球状多核金属錯体を合成し、これらを超分子相互作用により集合させることにより、球充填型細孔をもつ結晶性材料(多核錯体集積体)を開発しています。多核錯体集積体は溶媒に可溶であり、細孔の内部表面を調整することも容易です。このため、多核錯体集積体の内部では、既存の多孔性材料とは本質的に異なる拡散現象が起こり、ユニークな化学反応や電子状態が可能になると考えています。