第6回国際・第8回日中
ジョイントシンポジウム(CATS2011)報告

 2011年8月1日から4日まで第6回国際・第8回日中ジョイントシンポジウム(6th International & 8th Japan-China Joint Symposium on Calorimetry and Thermal Analysis,通称 CATS2011)が首都大学東京の南大沢キャンパスで開催されました.このシンポジウムは1986年から3,4年毎に日中交互の開催地で開かれています.日本熱測定学会を主要団体としており,組織委員長は首都大学東京の吉田博久教授でした.今年の3月に発生した地震とそれに伴う福島の原子力発電所の事故のために一時は開催も危ぶまれましたが,無事にシンポジウムは日程通り開催されました.中国を中心とした海外からの参加者17名を含む79名の参加登録者が集い,2件の特別講演,18件の口頭発表,及び52件のポスター発表が行われました.特別講演には,首都大学東京の春田正毅教授による金属酸化物上にある金のナノ粒子の安定性と金属活性に関する講演と,精華大学の Zhi-wu Yu 教授による両親媒性分子の相転移における局所的な共同に関する講演が行われました.当センターからは稲葉教授をはじめとした6名が参加し,7件の発表を行いました.

 シンポジウムはゆったりとして落ち着いた雰囲気の中で進行し,参加者同士の交流も多数見受けられました.熱測定や熱分析に関する発表の他に,吉田博久教授から福島の原子力発電所の事故に対する報告がありました.事故当日の放射線量から今後の対策などを分かりやすく解説され,海外の方はもちろん,日本に住む私たちにとっても,現在日本がどのような状況に置かれているかを改めて把握し,これから何をすべきなのかを考え直す良いきっかけになりました.

私自身も色々な報告を聞き,様々な人と話す機会に恵まれました.特に清華大学のYu教授は,私の発表に興味をもっていただき,その後も気さくに話しかけてくれました.英語が不得手な私としては,このような優しい心遣いをして頂いたことを嬉しく思うと同時に,自らの英語に対する力不足を痛感しました.

シンポジウムの閉会式では,優秀なポスター発表者へポスター賞(Most Impressive Poster Presenter Award, MIP Award CATS2011)が贈られました.受賞者の一人に当センター特任研究員の Górska 博士が選ばれました.

(吉田 康)

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会場内の様子

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