「開殻有機分子の合成と電子構造自由度に関する国際ワークショップ」に参加して

 この会議は,阪大化学科の森田先生が中心になり,10月7日と8日の2日間にわたって,梅田スカイビルにて行われた.口頭発表者は若手中心であり,開殻有機分子の合成,および,これに関連した合成化学者が発表を行った.私は,森田先生から招待されたのだが,私自身は合成ではなく物性を手がけているため,全くの部外者といえる.そこで,直前に行った ISCOM 2011 での発表形式とは全く異なる形式・内容で講演することにして,この会議の参加者に合わせるようにしてみた.この会議での発表内容は,有機超伝導体と結晶構造の関係についてである.発表に際して,スペクトルなどの図示や,シミュレーション結果,分光学的手法による独特の考察過程などを示すことを極力排除し,どのような構造的特性を持つ物質が超伝導になりやすいのかを述べることに徹した.このような発表をしたのは,貴重な経験ではある.初日夕方に懇親会が行われ,当該分野のベテラン研究者を始め多くの参加者が終了まで残って歓談をしていた.

(山本 貴)

Copyright © Research Center for Structural Thermodynamics, Graduate School of Science, Osaka University. All rights reserved.