大阪大学大学院理学研究科 附属基礎理学プロジェクト研究センター 原田グループ ロゴ
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教授紹介

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人類は「もの」を用いて文明を築いてきた。金属やセラミックス、プラスチックなどバルクの材料を削ったり引き伸ばしたりして道具をつくり、文明を築いてきた。コンピューターに使われている超LSIも同様にリソグラフィーという技術を用いてバルクの材料からつくられている。これをトップダウン方式とよんでいる。一方、自然界では生命が誕生し、一見「もの」とは対照的な存在とみなされてきた。ところが、分子生物学の発展により、生物も分子の集合体であり、分子間相互作用により、生命を維持する機能が働いていることが明らかにされてきた。それでは合成した分子を集合させて生物を創ることはできるのだろうか? 今はまだできない。しかし、種々の分子を部品として、生物と似ているものの生物とは異なる分子集合体(分子マシン)を創ってみるのはおもしろいかもしれない。 生物は確かに高度な機能を果たしているように見える。しかし、使用している分子や原子の部品は限られたものである。また、その情報を遺伝として伝えるために全面的にDNAに依存している。そのために生物が使用できる分子が限られており、限界があるのである。これに対して化学ではあらゆる原子、分子が部品として使える。また、生物のしがらみ(遺伝)にとらわれずにすむのである。
さらに自己修復、自己増殖できるシステムを創ることができれば、すばらしいことであろう。現在では困難なことだが、生物はすでにやっていることなのである。DNAに頼らない生物があってもいいのじゃありませんか?

産業科学研究所 特任教授
原田 明

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