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5.課題と展望
1.高分子科学専攻の組織と運営
5.2 課題
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3)大学院教育  

 大学院重点化により、大学院生募集定員が増加したため、他大学から大学院に入る学生が増加している。他大学での高分子関係の授業の履修状況には大きな個人差があり、大学院の授業をどのように進めるかが問題となっている。現在、高分子科学の基礎として、高分子物理化学、高分子有機化学、高分子凝集科学を必修とし各々1学期で授業を行なっているが、このような基礎科目の授業時間の増加や、他大学からの入学者には学部の授業を聴講させるなどのカリキュラム再編が今後の課題となっている。
 高分子科学は広い分野にわたるため、授業および研究指導にあたるスタッフの充実が望まれる。この問題の解決手段として、 inter-faculty の授業を積極的に取り入れることや、非常勤講師による特別講義の充実が必要であるが、特別講義は非常勤講師の任用費の制限により年2回しか行なっていない。また、専攻への来客の講演を積極的に学生に聞かせ、外部研究者の最先端の研究成果にふれさせ、学生自身の研究に対する興味を増大させることが望まれる具体的には、これまで開催してきた年10-20回の高分子セミナーや高分子国際シンポジウム(OUMS)をより充実させることが重要である。このような努力により、国際感覚を持ったバランスのとれた研究者の育成が期待される。
 理学研究科全体の傾向として大学院博士後期課程(博士課程)の学生数が定員に満たないという問題が高分子科学専攻でも起こっている。後期課程への進学者が少ない原因として、大学院の在学年数が長いこと、企業が学位取得者を歓迎しない傾向があったことなどの種々の要因が挙げられる。学位を取得するまでの大学院在学年数(博士前期および後期の合計)を現在の4または5年からさらに短縮することが今後の課題として残されている。就職に関しては、企業の開発研究における独創的研究能力が重要視され、高分子科学専攻でも博士学位取得者の就職状況は良くなっている。また社会人の大学院社会人コースへの勧誘が考えられる。高分子科学専攻では社会人コース学生が比較的多く、今後もこの努力を持続することが望まれる。さらに、海外の研究者との協同研究により、博士課程の大学院学生を海外に留学させる制度を取り入れ、後期課程の研究をより魅力的なものにするような努力が必要である。
 大学院生の生活の困窮を解決することも課題の一つとして挙げられる。殆どの大学院生がアルバイトなしには勉学を続けられない状態にあり、リサーチアソシエイト(RA)およびテイーチングアシスタント(TA)の雇用数の増加および個々の学生に支払われる給料の増加が望まれる。

2.教育活動
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3.研究活動
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4.社会活動
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5.課題と展望

5.1 序

5.2 課題
1) 教官数と教室運営
2) 建物
3) 大学院教育
  4) 大講座制と研究体制
5.3 展望
  1) 教育
2) 研究
3) 社会への貢献