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実験室紹介

ようこそ、時間分解分光学とタンパク質科学の世界へ!

水谷研究室には、大小6つの実験室があります。これらの実験室では、おもしろい機能をもったタンパク質を精製し、その構造やダイナミクスをオリジナルな実験装置をつかって観測し、タンパク質機能の分子メカニズムを調べています。

独自の技術による研究

可視領域から紫外領域の広い波長範囲にわたって、またピコ秒からミリ秒までの幅広い時間流域にわたって、タンパク質の時間分解共鳴ラマンスペクトルを測定できるのは、世界的に見ても私たちの研究室しかありません。これらの技術は、これまでに私たちが行ってきた工夫の積み重ねから培われたものです。水谷研究室では、これら独自の技術を使って、私たちにしかできない研究を展開しています。

時間分解共鳴ラマン分光法

振動スペクトルは、分子構造について豊富な情報を含んでいます。特に、共鳴ラマン分光法は、タンパク質の分子構造を調べる方法として、非常にすぐれた特徴を持っています。それは、ラマンスペクトルを測定するための光の波長を変化させると、波長によってさまざまな部位の構造を選択的に観測できるという点です。また、速い現象を追跡することができるというのも、共鳴ラマン分光法の大きな特徴です。私たちの開発した装置ではピコ秒(1兆分の1秒)の時間刻みで、タンパク質の動きを追うことができます。

時間分解可視共鳴ラマン測定室 理学部本館 B108・B110号室 (詳しい説明

B108・B110号室には、可視パルス光を使った時間分解共鳴ラマン分光システムが2台設置されています。 1台はピコ秒からナノ秒領域のタンパク質ダイナミクスを観測するためのシステム、もう1台はナノ秒からミリ秒までのダイナミクスを観測するためのシステムです。タンパク質には、サブピコ秒からミリ秒にわたり幅広く連続的に重要なダイナミクスが存在します。タンパク質機能の分子メカニズムを明らかにするにはこれらのダイナミクスをすべて観測することが必要です。

私たちは1997年に、ピコ秒チタンサファイアレーザーシステムをベースにした時間分解共鳴ラマン分光装置を世界で初めて開発し、以来タンパク質ダイナミクスの研究に応用しています。

これらの分光システムを用いて、主に、ヘム(ヘムタンパク質の活性部位)およびヘム周辺に起きるダイナミクスを調べています。

時間分解紫外共鳴ラマン測定室 理学部本館 B107・B109号室 (詳しい説明


紫外領域の光を用いると、芳香族アミノ酸残基(トリプトファン、チロシン、フェニルアラニンなど)のラマンスペクトルを、共鳴効果によって選択的に測定することができます。また、アミド振動とよばれる、ペプチド結合に由来するラマンバンドを観測できます。ここからタンパク質の二次構造に関する情報を得ることができます。タンパク質の立体構造を調べるうえでは、X線回折法やNMR分光法などがしばしば用いられます。しかし、これらの方法は、スタティックな構造調べるには大変有効ですが、ピコ秒領域の速い動きをとらえることはできません。高い時間分解能を持つ点は、これらの方法にはない共鳴ラマン分光法の大きな特色です。この性質を利用してタンパク質に起きる速い構造変化を調べることができます。

私たちは、さまざまな非線形光学技術を利用して、紫外領域に波長可変のピコ秒紫外光パルス発生システムを開発しました。また、レーリー散乱光、可視領域の蛍光を効率的に除去するための、プリズム型前置分光器を製作しました。これらの工夫によって、良質の紫外共鳴ラマンスペクトルの時間分解測定が可能になり、タンパク質の示す興味深いダイナミクスが明らかになってきました。

分光イメージング実験室 理学部本館 B114・116号室

生細胞中に含まれる、タンパク質やその関連分子の空間分布を感度よく観測すべく、ラマン分光法と蛍光分光法による生細胞の分光イメージング技術を開発しています。

培養室 理学部本館 c332号室 (詳しい説明


遺伝子工学技術の発達により、大腸菌を利用して効率的にタンパク質を作ること(タンパク質発現)ができるようになりました。このため、これまでは微量しか生物から単離できないために研究が難しかったタンパク質が、分子科学研究の射程距離内に入ってきました。また最近では、ゲノム解析から、その存在が初めてわかったタンパク質も見つかっています。これら新規なタンパク質が、遺伝子工学的手法を利用することによって、タンパク質分子科学の新しいターゲットになっているのです。

私たちの研究はまず自らの手でタンパク質試料を得るところから始まります。c332号室には、タンパク質の大量発現のための大腸菌培養用機器が整備されています。

分析機器室 理学部本館 B111号室

紫外可視分光光度計(測定可能領域:190-3300 nm)とフーリエ変換赤外分光光度計が設置されています。これらを用いて、タンパク質試料のキャラクタリゼーションを行います。

試料準備室 理学部本館 B112号室


試料調製や分光測定のための前処理などをここで行っています。

小型遠心器、クロマトチャンバー、超低温槽、超純水製造装置、真空ライン、pHメーター、化学天秤などが設置されています。