新規抗体超分子
世界初 抗体を1ユニットとして合成された樹状超分子「抗体デンドリマー」(2003)
"Antibody Dendrimer"
抗体IgM抗体を核に、化学修飾したIgG抗体を分岐として抗原抗体反応によって抗体を連結した新規樹状超分子を合成した。カチオン性ポルフィリンを免疫して得られた抗体IgMと、カチオン性ポルフィリンを修飾して得られた化学修飾抗体IgGを混ぜ合わせるとIgMがIgG上の抗原に結合し、「抗体デンドリマー」が得られる。本抗体超分子は分子量が200万を超える巨大分子集合体であり、非共有結合を介したデンドリマーである。抗体デンドリマーの構造を原子間力顕微鏡(AFM)により観察した結果、集合体の直径はIgMの約2倍で、外側に分岐が観測された。化学修飾抗体のみあるいはIgMのみではこのような集合体は見られなかったことから、混合溶液から得られたAFMイメージはIgMの周りにIgGが特異的に集積してできた超分子構造であると考えられる。この抗体デンドリマーの基質特異性は極めて高い。IgM、IgGおよび抗体デンドリマーの基質との親和性を酵素標識抗体測定法(ELISA)により調べた結果、抗体IgGに修飾したカチオン性ポルフィリンはIgMの結合部位に結合し、遊離の結合部位は 存在しないと考えられる。
Reported by C. J. Hawker et al. in
J. Mater. Chem.,
2003,
13, 2653-2660.
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