大阪大学大学院理学研究科 附属基礎理学プロジェクト研究センター 原田グループ ロゴ
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分子認識を肉眼で見る

溶媒組成の変化によって異なる相手と接着

 ゲスト分子としてピレン(Py)を用いた。
 水中ではγ-CDゲルとのみ結合したが、DMSO-水(1:1)の溶媒中では、β-CDゲルとのみ結合した。ゲルの集合体に紫外光を照射したところ、水中ではピレンのゲルからは緑色の蛍光(エキシマー蛍光)が観察され、ピレンダイマーが形成されていることがわかった。さらにDMSO-水(1:1)の溶媒中では紫外光照射によりピレンのゲルからは青色の蛍光(モノマー蛍光)が観測され、ピレンは単量体として存在していることがわかった。すなわち、水中ではピレンはダイマーを形成しているために環の大きなγ-CDにのみ包接され、DMSO-水(1:1)の溶媒中ではピレンは単量体で存在しているためにγ-CDの環では大きすぎるのに対し、β-CD環には入ることができるためβ-CDゲルと結合した。このようにDMSOと水との混合溶媒の濃度の変化によってPyゲルの接着するホストゲルを変換できた。

Zheng, Y.; Hashidzume, A.; Takashima, Y.; Yamaguchi, H.; Harada, A., Nature Communications 2012, 3, 831.
Newton (ニュートン), 2012, 9, 7.


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